膵炎
膵炎は膵臓に炎症が発生する病気です。急性膵炎と慢性膵炎に大きく分けられ、それぞれに原因や症状、治療方法などが異なります。
急性膵炎は、食べ物の消化吸収を助ける膵液中の酵素がアルコールの過剰摂取や胆石(胆管や胆のうに作られる結石)などの影響を受けて活性化し、自らの膵臓の細胞を消化してしまうことで発症します。みぞおち近辺から背中にかけての痛みや発熱、食欲不振、吐き気、嘔吐、膨満感などの症状が時に急激に現れ、さらにこうした症状の持続に悪化が伴うと、やがてショック状態や生命に危険がおよぶような状態にまで進展することもあります。
一方の慢性膵炎は、膵臓に発生した炎症が長期におよんで膵臓の細胞がだんだんと破壊されていき、それにより膵臓が硬くなることで発症します。また、それにより膵臓の持つ機能も減退して、しばしば糖尿病を合併します。原因として最も多いのは急性と同様にアルコールの過剰摂取で、症状も急性ほど激しくはならないことが多いものの比較的共通しています。
膵炎は血液検査をはじめ、腹部X線(レントゲン)や超音波(エコー)、CT、MRIなどの画像を用いた検査によって診断が可能です。まずは当院にてお気軽にご相談ください。
膵のう胞
膵のう胞とは、膵臓の中やその周辺にのう胞ができる病気です。のう胞とは内部に何らかの液体が入った袋状の物体で、膵臓以外にも身体のさまざまな部位で見られるものです。
膵のう胞のほとんどは良性かつ無症状なので、人間ドックや定期検診の際に偶然発見されるケースが大半を占めます。
ただし、時間とともに大きさを増して周辺の組織に悪影響を与えるのう胞や、まれに悪性または悪性化の可能性があるのう胞も存在するので、のう胞が発見されたら定期的に超音波(エコー)検査で経過を観察することが必要になります。こうした検査などについて、まずは当院にてお気軽にご相談ください。
膵臓がん
膵臓がん(膵がん)は膵臓の細胞ががん化して発症する病気です。中でも9割以上を占めるのが膵液の通り道となる膵管の細胞ががん化する膵管がんで、一般的に膵臓がんといえばこの膵管がんを指す場合がほとんどです。
膵臓がんは早期の発見が非常に困難ながんとして知られています。その理由には初期の段階で自覚症状がほとんどないことや原因がはっきりしていないことに加えて、膵臓がいくつもの臓器に取り囲まれた奥深い位置にあり、精査がしにくいことなどが挙げられます。そのため、発見時にはすでにかなりの段階まで進行しているケースが珍しくありません。また、それにより治療にも困難が伴いやすいことは、発症者数と死亡者数がほぼ等しいという統計結果が物語っています。
現在のところ、診断には各種検査の結果が総合的に用いられていますが、さらに確度の高い早期発見方法の研究が急がれるところです。